宮城県仙台キャンパスキャンパスブログ

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2020.04ガジュマル

みなさん、こんにちは。
仙台駅東口より徒歩4分のところにあるKTCおおぞら高等学院仙台キャンパスです。いつもブログを見てくださりありがとうございます。

今回は、「哲学対話」の話です。
家にいる時間が増え、普段は読まないジャンルの本も読むようになった方もいるのではないでしょうか。仙台キャンパスの畑山コーチより1冊の本を紹介して頂きました。東京大学の梶谷真司教授の『考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門』です。「哲学対話」はその本からの話です。

「考えることは大事」と言われるが、「考える方法」は誰も教えてくれない。ひとり頭の中だけでモヤモヤするのではなく、人と自由に問い、語り合うことで、考えは広く深くなる。その積み重ねが、息苦しい世間の常識、思い込みや不安・恐怖から解放する。対話を通して哲学的思考を体験する試みの手段が「哲学対話」です。
「哲学対話」という活動は、もともと1960年代アメリカで始まった、「子どものための哲学(Philosophy for Children)」に由来するそうです。難しい哲学者の思想について教えるのではなく、思考力を育てるものであり、そこで「対話」が主な方法として使われます。
哲学対話は通常、10人から20人くらいの人が輪になって行います。日本の従来の授業(先生が前に立って、発言権を持つ授業)と違い、円は前も後ろもなく、対等に誰もが発言していい場となるそうです。
そして話し合うテーマは自分たちで決めます。自分たちで探し、決めたテーマだからこそ、自ら考えることができるそうです。

テーマが決まったら、いよいよ「対話」のスタートですが、ルールが8つあります。
〈哲学対話のルール〉
1.何を言ってもいい。
2.否定的な態度をとらない。
3.お互いに問いかけるようにする。
4.発言せず、ただ聞いているだけでもいい。
5.知識ではなく、自分の経験にそくして話す。
6.意見が変わってもいい。
7.まとまらなくてもいい。
8.分からなくなってもいい。

「自由に考えるのにルール?」と思われる方もいたかもしれませんが、これは普段の生活の中では難しい、自由な発言や思考を抑圧する力から守ってくれるのだそうです。「結論の出ない話し合いをするのは、時間の無駄だ。」と言われることもあるそうですが、梶谷教授は、「しかし、些細なテーマであっても、じっくり掘り下げて話し合えず、安心して意見を言える人間関係もできていないのに、重要な決定をする議論などできるのでしょうか。」と逆に問うそうです。
ある学校で、デリケートないじめが対話のテーマになったそうです。

「なぜ人がいじめられているのを見ると笑うのか?」という疑問が出てきたそうです。結局、他の人に合わせているだけで、誰も本気で面白いとは思っていないことが分かり、その後、人がいじめられているのを見ても、誰も笑わなくなり、それを止める人も出てきて、次第にいじめがなくなったそうです。自由に考え、結論を急がなかったからこそ、「いじめ」というきわめて難しい問題を、とても良い形で解決出来たとのことです。
梶谷教授は、『「考える力」は個々人へのトレーニングや競争によって身につくわけではありません。自由に問い、何でも話せる場を作ること、それによって信頼関係を作ること、それこそが考える力を育てるのです。そうしてそれぞれが自分で考えるようになれば、自ら行動したりお互いに協力したりすることもできるようになるのです。』と言われています。

最後に、画像は2015年から仙台キャンパスで育てているガジュマルです。
仙台キャンパスに来た頃は手のひらに乗る小さな樹でしたが、気付けば根元から測ると93.5cmの高さとなりました。まるで御神木のような存在感があります。今は、このガジュマルが教室を見守ってくれています。休校が解除され登校できるようになったら、是非一緒に「哲学対話」も実践してみましょう。

<見学・相談に関して>
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