栃木県宇都宮キャンパスキャンパスブログ

https://www.ktc-school.com/reserve/?kubun=2&event=001&campus=1212/reserve/?kubun=3&event=002&campus=12
スクーリングで仲良くなった女子生徒3人組。右が宇都宮の生徒です。
おおぞら高校 宇都宮キャンパスです。
連日酷暑が続いていますが、生徒は負けずに元気よく登校してきています。皆様も暑さに気をつけてお過ごしください。

先日、私は屋久島スクーリングにツアーサポーターとして引率を務めました。
屋久島スクーリングは、出会いの場です。
自分の住みなれた地域では生息していない生き物、見られない現象、そして触れ合えない人々。ありとあらゆる出会いを凝縮されているのが屋久島スクーリングです。初めて出会う人と同じクラスの仲間、或いは宿舎の仲間として過ごし、文字通り同じ釜の飯を食い、同じ方向を向いて考える4泊5日がそこに在ります。

この回宇都宮キャンパスからは、4人の生徒が参加しました。特にNさんという生徒は、偶然にも仲のいい友だちと同じ回でした。ふたりはキャンパスでもいつも一緒、席もいつも隣。各自で向かうことになっている集合場所の羽田空港にも、ふたりはしっかり手を繋いで集合場所までやって来ました。
「まだ時間まで少しあるので、先にお昼ご飯買ってきますね」
そう言って一度集合場所を離れたふたりは、辺りを珍しそうに見回しながら、固く手を握り合って歩いていきます。その後の移動の間も、ふたりはしっかりお互いに離れないように行動していました。

ところで、決められた範囲ではありますが、スクーリングの中にも自由時間があります。生徒はその間、入浴したり、KTCみらいノート®を書き進めたり、お菓子やトランプを広げて仲間との交流を楽しんだりと思い思いに過ごします。屋久島の先生だけではなく、ツアーサポーターのコーチも一緒に宿舎で生徒を見守ります。
初日。先の彼女たちは、宿舎でも同じ部屋。廊下をやはりふたり手を繋いで歩いていました。
見守る私に気づいて笑顔を見せたものの、緊張からかその表情はやや硬め。無理からぬことだと、そしてそれだけではないと私は感じました。
というのも、屋久島では、様々なキャンパスの生徒で混成された「クラス」の単位で5日間過ごすのですが、ふたりは、別のクラスになったのです。
いくら宿舎では一緒にいられるとはいえ、これから不安なのだろう。消灯時刻を前に少しずつ静かになっていく宿舎で、私はそんなことを考えていました。

校舎と海までの間には、広い草原があります。
スクーリングも後半となったこの日、生徒は校舎を飛び出し、その草原を見て回っていました。「自分を象徴する写真は何か?」というのが彼らに課された問いです。
敷地内といえども一歩校舎の外に出れば、様々な物が見られます。この日は前日の大雨が嘘のように晴れており、見上げれば青空に白雲が映えます。下を見れば、普段は乾いている石造りの道から水がしみ出して小さな川になっています。歩いていて足をとられたと思えばそこはモグラ塚。屈めば、緑一色だと思っていた中には小さいながらに様々な草花があることがわかります。草原を見て回っている生徒宇都宮の男子生徒(写真右下、右)が、別のキャンパスの生徒とそれらを熱心に観察しているところに出会いました。
2日目のチームビルディングで初めて話したんですけど、それからずっと一緒に活動していて」
いつの間にか次の日もね。あ、後ろの草、触ると痛いから気をつけてよ」
そう。中には、綺麗な花の影に棘を隠した植物もあります。校舎や宿舎の窓から景色を眺めているだけでは培うことのできない感覚を全力で使いながら、生徒はそれぞれの一枚を探すのです。
もうしばらく歩いているとその中に、Nさんを見つけました。(写真左上、右端)
「同じクラスで、私が先に話しかけたの」と、中央の生徒。
「彼女と私がペアワークで一緒だったんですよ」と、左端の生徒。
「どうやって...... というより気づいたら3人で仲良くなっていました!」
誇らしげに語る彼女に、もうあの時の戸惑ったような面影はありませんでした。

その夜、私はまた宿舎の見守りに入っていました。スクーリングももう終盤。生徒も屋久島の先生やツアーサポーターのコーチと打ち解けてきて、そこここで笑い声が聞こえます。
「ねえ、もっともっと面白い顔して!」
Nさんの声です。見れば、宇都宮の仲良しふたりで、別のキャンパスを引率してきたコーチに自ら声を掛け、3人で記念写真を撮っていました。初日はふたりとも、あんなにおどおどしていたのに!
「愉快なことをやっているね」と話しかけてみると、「いつの間にか、すごく楽しくなっていました! いい写真取れました!」と、元気な返事。
数日前にあの強張った顔をしていたのと同じ生徒だと思えないほど溌剌とした姿が、そこにはありました。

「いつの間にか」「気づいたら」変わっている、できている。この言葉を、5日の間Nさんだけではなく、様々な生徒から耳にしました。
屋久島スクーリングには「いつの間にか」「気づいたら」動いている、そんなきっかけがありとあらゆる箇所に鏤められています。冒頭で「出会いの場」と書きましたが、「いつの間にか」知らない自分に出会えるのも、またこの島の持っている魔力なのかもしれません。
屋久島スクーリングのことが知りたい、どんなふうに変わった生徒がいるかもっと見聞きしてみたい。自分も変わりたい。
そう思われた方がいらしたら、ぜひ、気軽に見学におこしください。お問い合わせお待ちしております。